2016年4月号 離見の見

更新日:2016/04/11

  去る1月31日に出身地である小野市で講演会を行いました。タイトルは100歳まで元気に歩こうー僕が整形外科医をめざしたわけです。小学校時代の恩師や、衆議院議員、県会議員の方々をはじめ多くの方に来場していただきました。最初の20分程度は整形外科疾患についてお話しし、後半一時間は私の生い立ちや日々の診療で感じることをお話ししましたが、原稿なしのフリートークです。講演後、お手紙で感想をいただきましたので以下その一部をご紹介します。
  「まず、いわゆる講演と名のつくものは最初は低姿勢なんですが徐々に自分の自慢話が出てきて、最終的に『どや、参ったか。わしの言うとおりやろ。』となるのが普通です。しかし、先生は最初から最後までそんなそぶりは一切なし。かなり慣れておられるのか最初の『つかみ』もばっちり。一時間あまりがあっという間に過ぎてしまいました。」
  他人には勧められませんが、私は講演、スピーチに際して、原稿をつくりません。なぜなら臨機応変な対応をするためです。大筋だけ決めてあとは観客席の反応を見て、関心がなさそうなら、さっときりあげ、他のテーマにうつります。また今回の講演会のように観客席の反応がいい場合には、演者も気持ちよくなってきて話が長くなりがちですが、もう少し聴きたいなと思われているところで、終了します。いくらいい話でも長くなると疲れますし、早く終了しても内容がよければ、不満はでません。
  講演中私は観客から見た自分の姿がはっきり見えた。実際には自分自身の姿を観客席から見ることはできないので、これは世阿弥のいう『離見の見』というものなのでしょう。他人の目で自分を客観的に見ることが、大切だということです。そのために世阿弥は眼は前を見ていても、心は後ろにおいておけと述べています。ひとりよがりを防ぎ、大局的な視野に立つことは日常生活、仕事でも大切な姿勢でしょう。

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