2017年7月号 医師の卵のみなさんへ

更新日:2017/07/12

   あまり知られていないことですが、医学部に入学しても6年後に医師になれるという保証はない。K大医学部に入学当時、75パーセントしかストレートで医師になっていないという現実を医学部長が新入生に話されました。25パーセントすなわち4人に1人は留年または医師国家試験に不合格になっているということです。教養から専門にあがる際に語学(ドイツ語)や基礎医学で不合格になる学生が多かった記憶があります。病気や留学という理由はほとんどなく、遊びすぎ、クラブに熱中しすぎなどが原因です。当時国公立の学費は6年間トータルで180万円で、実際に医師養成にかかる費用数千万からすると、タダみたいなもので、差額は税金が投入されているわけです。当時はもちろん国家の財政難の現在、医学部生は留年などしていてはいけない。留年しても立派な医師になられた方はいらっしゃるでしょうが、税金を無駄使いしてはいけないと思うし、少々遊びすぎても、なんとか単位をとれるぐらいの余裕がある人が医師になるべきでしょう。

   合格すれば、その後どう過ごそうと医学生の自由なのかもしれませんが、大学に入学しただけで、社会的になにも貢献していない医学生も世間では先生とよばれることがあります。それは将来医学生が医師、医学者になると思われているからです。たかだか大学入試に合格したぐらいで勘違いをしてはいけないのである。

   18歳人口は50年前の半分以下なのに、医師不足解消の政策のもと、医学部の定員は最近10年だけでも毎年増員され、1800名ほど増えて9500人に迫る勢いである。時代が違うというものの、昔なら医学部に入学できない学力層まで入学する可能がある。実際に受験する学生数や医師になりたいが、受験できるほどの学力がなく、進路変更する人の数を合わせると、年10万人以上の潜在志願者がいると推測される。自分の夢が叶わなかった人が病院に行った時にやっぱり医師になった人は凄いなと思わせるものがないと残念ながら不合格になった人もうかばれない。

   医師になれる能力がある人はその能力を私物化してはならない。自分の生活や家族より患者さんを優先させなければならないことも特に勤務医時代は多い。献身的な姿勢と体力がある人にしか務まらない仕事です。先生とよばれる職業では、選挙制度が変更された後の最近の政治家と定員増後の新人弁護士は明らかに質が低下しているとされる。勉強しないといけない知識は昔より増えている医学生は強い決意を持って入学して欲しい。能力と志のない医学生は一人もいないと信じたい。

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