2017年11月号 仕事を頑張るのは当たり前

更新日:2017/11/13

   あなたが神戸のパン屋さんで買物をするとします。健康に良い、悪いや高い、安いの基準はあるにしても、美味しいパンを食べたいということに異論のある方はいらっしゃらないでしょう。店主が素材を厳選しているとか、朝早くから仕事をしているとか、弟子に優しいなどということは、商品の価値にほとんど直結しません。美味しくなければ、リピーターにはならないし、店主のパンへの思いもパンが美味しくて、はじめて意味があります。美味しくなくても買ってくれるのは、身内だけでしょう。

   美味しくないというお客さんに対して、一生懸命やってますとか頑張ってますと主張することは回答として意味をなさないどころか、自ら美味しくないことを認めたうえで、それでもご配慮をという自己評価の低さと甘えにしか感じられません。

   医療においてはパンの例であげた健康に関しては良いことをしているのだし、保険制度のもとでは料金均一であるため、医療の質(接遇なども含む)すなわちパンの味にあたるものがすべてです。そして僕は高品質のパンを提供したいと思う。一緒にジュースも買ってもらおうとか、お客さんに必要のないトッピングなどはすすめない。あくまで潔くパンの味で勝負するのである。だからパン作りの工程で、品質が保てない部門があればみんなでフォローするのだが、いつまでも弟子は半人前ではいけないし、助言した際に「頑張ります」はよいが、「頑張ってます」「一生懸命やってます」は禁句なのである。美味しくないパンはやっぱり美味しくないのである。

   頑張ることや努力を否定しているわけではなく、その頑張りが結果に繋がるためにどうするかである。成功している人から学ぼう。ジャンルの違う人の話を聞いていい話だったなで終わる人は二流で、決して一流にはならない。スポーツ、音楽なんでも上手くなるために頑張るのでしょう。上手くなってはじめてわかる楽しさもたくさんある。

   仕事とは本来厳しいものである。美味しくなければ、店主の人柄がよくても、お店は潰れる。だから毎日、毎日美味しいパンを焼いていかなければならない。そして厳しい仕事だからこそ楽しくやりたいと思います。しかし楽しくするために職場でいろんなイベントを行なったり、コミニケーションを密にすること以上に大切なことがある。仕事を通じてお互いが成長し、信頼を得ることである。上質な医療を提供する。そして患者さんに喜んでいただく。それはなにものにも代えがたい楽しみであり、喜びです。幸い当院は現在多くの患者さんに支持されています。しかしそれはあくまで昨日までの評価で、今日はまた新たに美味しいパンを提供しなければならない。そのために僕は一生懸命という文字通り、今日も命を懸けているのである。

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