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みみより通信

2015年5月号 見えないものを見る

学生時代を終えると学ばなくなる人は多い。試験もないし、誰からも強制されることはない。しかし学びがなければ、本物を知ることはできないし、日々の生活の中で正しい判断ができない。そうすると深みのない人生を送ることになるし、他人を幸せにすることを考える余裕もなく、自分の関心のあることにしか目がいかなくなる。結果として、ますます視野が狭くなって、本物を偽物、あるいは価値のないものと見なしてしまう愚をおかすことになる。
もしかすると本物を理解できる人の方が実は少ないのかもしれない。しかし多数決で本物かどうかが決まるのではない。ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟やノーベル賞の業績は多くの人にとって理解困難であろうが、その価値が揺らぐことはない。多くの人が理解できないといって本物であることを目指さなくてもよいということにはならない。
社会貢献のため学び続ける。語学を学ぶのも、数学で論理思考を学ぶのも、歴史を学ぶのも、古典に親しむのも、人を理解したり、説得したりするのに、結びついてくる。机上の学問以外の学びも大切で、日々いたるところに師を見つけることはできて、学ぶことは人についてよりよく理解することになる。すなわちこれまで見えなかったものが見えるようになってくる。
学びに終わりはないと最近つくづく感じます。
少年老いやすく学成り難し
正に至言である。

小林 恵三(医学博士)

日本整形外科学会認定 整形外科専門医

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