2023年1月号 通常生活へ前進
2023/01/23
今年の7月で開業15周年を迎えます。家族や平素お世話になっております医師会の先生方や当院で勤務してくれたスタッフをはじめ多くの人に支えられて今があると、大変感謝しております。誠にありがとうございます。
一口に15年と申しましても、いろいろな事がありました。5年目までは楽しくも悪戦苦闘の毎日でした。しかし外反母趾や扁平足に対してインソールを作成する靴外来も軌道にのってきて、クリニックの待ち時間対策や過剰な検査、薬処方は行わない方針やスタイルが広く浸透し、固まってきた時期です。続く5年間はさらに成果が上がってきて、肩凝りなどに有効なオーダーメイド枕を作成する枕外来など新たな取り組みも始め、また線維筋痛症の患者さんの診断と治療にも微力ながらも貢献できました。また勤務歴が5年以上のスタッフが5人以上勤務しており、忙しくも活気に満ちていた時期です。
そして10年を過ぎてからはここ3年は何と言っても新型コロナウイルス対策に自院も世の中も明け暮れました。新型コロナ以前より換気には気をつけていましたし、手指消毒も行なっていましたが、当初マスクは苦手でした。私個人としては、リスクがあってもチャレンジすることを怖れないタイプの人間ですが、この3年間医師という立場や医師会理事の立場から忍耐の日々でした。かなり早期にこれは2〜3年の長期戦になることを見通せたため、消極的に見えたかもしれませんが、ウイルス相手にどうにもならないことはどうにもならないと早めに見切りをつけました。そしてそれは正解だったと思います。ピンチに陥っても大逆転を起こしてきた私からすると誠に不本意でしたが、やってる感を出すためにいつでもアクセルを踏んで暴走するのは、強さでも、勇気でもないと私は考えます。またどんなに頑張っても、楽観的にみても感染者を0にするなど、残念ながら当面無理なことは世の中にあります。諦めずに頑張ることは尊いように思えますが、頑張りどころを間違えたり、過剰過ぎる対策は現在、賢明とはいえないでしょう。
私自身新型コロナウイルス対策として、整形外科医であるため、診断、治療に貢献できたわけではありません。可能な限り東灘区集団接種会場に出務して多数の市民の方にワクチンを打ってきました。しかしその生活もいよいよ一区切り、終わりを迎えます。春以降、感染対策を全くやめてしまうことは無理だとしても、無症状の濃厚接触者が学校や仕事を休むことはなくなりそうですし、課題はまだまだありますが、発熱外来という言葉が使われなくなり、発熱の診療が通常診察に戻っていきそうです。
またこれは開業当初からの当院の方針ですが、体調が悪い時は休んでもらうようにスタッフに伝えています。無理をして体調をさらに崩すことは好ましくありません。私自身は開業以来体調不良による休診は一度もなく、体調は絶好調か好調しかないと患者さんに話しています。もしかすると無症状なだけかもしれませんが、幸い新型コロナウイルスにも現在のところ感染していないようです。
今年は香川で弟も消化器内科で開業する予定です。私も初心に立ち帰り、日々診療を行なってまいりますのでよろしくお願いいたします。