2014年3月号 『人を診る』
2014/11/27
日々の診療の中で、医師はレントゲンや血液検査の結果だけではなく、問診、診察などで診断、治療を行っています。例えば足関節の骨折をしてギプス固定が必要になったとしましょう。この場合右足、左足どちらの骨折かにより患者さんの生活への影響は異なります。右足なら車の運転は無理です。また患者さんが一人暮らしか同居か、住居に階段があるのかでも状況は異なってきます。スポーツをされる方であれば、手術を選択する方がよい場合もあります。治療期間も骨折の程度や年齢で大きく異なります。このようなことを判断するには検査だけではなく「人を診る」という意識が必要なのでしょう。これが当院の目指すオーダーメイドの治療というものです。患者さんの希望、状況を最大限考慮しつつ、治療を一緒に考えていくことが大切です。一方で患者さんの希望をすべてかなえることが治療を行う上でベストでないこともあります。採血が毎月必要な病状もありますし、最初から薬の長期処方が好ましくないと判断されるケースもあります。残念ながらスポーツも一時的に中断していただくこともあります。このような場合はしっかり説明をするようにしています。その後病状が安定してきた場合は、薬剤を減量したり、注射や検査の間隔を長くして、過剰な薬剤、検査は行わない方針です。医療というのは今後どんなにIT化が進もうと最終的には医師と患者さんの信頼関係のうえに成り立ちます。「医師を見る」ことで自分に合った医院を選んでください。