2020年8月号 これからが本番
2020/08/17
残念ながら新型コロナウイルスの感染が収まらない。しかしこれは想定された状況であり、今年も含めてこのような状態が2〜3年続くシナリオが一番現実的です。感染拡大防止の対策をとりながら、日々の生活を再開していくよりないのだろう。もちろんうがい薬は特効薬になりえないし、ウイルスが27℃で死滅することもない。お盆の帰省も自粛ムードではありましたが、どうしても帰省せざるを得ない方もいらっしゃるので、個人の判断に委ねるしかない。しかしクリニックや店舗のマスク着用のお願いなどは個人の判断ではなく、施設のルールに従うのが当然だと考えます。
各種イベント開催は手探り状態が続く。自治体が主催の公のイベントは中止、延期が好ましいと考えます。私は医師会の理事として4月の時点で12月の地域医療シンポジウムの中止を副会長に進言して、理事会で中止が決定しましたが、当時半年以上先のイベントの中止を決定、公表している団体は私が知る限りありませんでしたが、これは正しい判断であったと思います。新理事として最初の理事会で自分の担当するイベントを中止する提案をするのは勇気がいることではありますが、中止するのはイベント開催に消極的なのではありません。既に来年度10月の会場を抑えるため先日、行政とも連絡をとりました。おそらく来年度もリスクゼロの可能性は低いでしょうが、来年度は開催にこだわって計画を練りたいと考えています。会場のキャパシティが倍になるわけではありませんが、来年度は「倍返し」の予定です。
今最も重要な事はニュースで感染者数に過敏になりすぎて、ウイルスをおそれすぎることでしょう。長期のステイホームは持病の悪化や体力(免疫)低下で結果、感染した場合重症化しやすくなります。ワクチンや治療薬に過度の期待をいだくことは現実的ではありません。ではどうするのか?当院では平成28年に院内感染対策指針を定めており、現在の新型コロナウイルス対策にも十分通用する内容ですので、8月にスタッフ間で再確認しました。すなわち表現は異なりますが、いわゆる「3密」を避け、マスク着用、手洗い、うがいをすることにつきます。にわか感染対策ではなく、インフルエンザや手洗いの勉強会も毎年のように行っています。しかし100パーセント予防できないところがやっかいなところで、感染者が出た医療機関が必ずしも感染対策が疎かになっているとは言えません。感染者や感染者が出た医療機関を差別するような風潮をなくさなければ、医療崩壊どころか、社会が崩壊します。
まだ今ほど新型コロナウイルスについてわかっていなかった3月のみみよりつうしんにも書きましたが、感染対策は正攻法で地道に行うしかなく、それが王道なのだと考えます。この半年間新型コロナウイルス対策として行った様々な判断や行動を振り返って、マスクを大量に購入したこと、感染予防でスタッフを交代で休ませたこと、医療従事者の慰労金を立て替えていち早くスタッフに支払ったことなど、たとえ慰労金が支給されないことに決定していたとしても、後悔はまったくありません。言葉だけでなく行動で小林整形外科クリニックはどんな組織であるのかを示せたのは意味があったと考えます。1カ月後感染状況がどうなっているのか誰にも正確にはわかりません。しかし不安や心配があるからこそ頑張れる。どんな困難があろうともそれを乗り越えていける覚悟と準備はできている。困難が降りかかって来た時、それを僕はどう乗り越えていくのか。僕は僕自身に期待してワクワクしている。そして僕にはもう既にポストコロナの時代のみんなの笑顔が見えている。