2022年11月号 壁を破れ
2022/11/28
みみより通信の原稿を書くのをさぼっているうちに28日になってしまい昨日はサッカーW杯の試合で日本はコスタリカに敗北しました。戦前では勝つ可能性が最も高いと考えられていた相手に対しての敗北だけに非常に残念です。しかし冷静に考えてみれば、2試合を終了した時点で4チーム全ての国が決勝トーナメントに進出の可能性があり、これは日本にとってベストではないにしてもベターな状況でしょう。2連勝の可能もありましたが、ドイツに負けていれば、2連敗の可能性もあったわけですから。
W杯は8つに分かれたグループリーグで3戦行ないますが、3戦も行えば、大体実力通りの結果になります。それは理系の受験生が英語、数学、理科の試験をうけるのと状況が似ています。初戦やや苦手な英語で予想以上にいい点が取れたが、得意と考えていた数学で失点してしまい最後の理科の試験を受けるというような状況です。数学でいい点を取っていれば、トップクラスで合格できたのにということですが、W杯において2試合終了時にグループリーグ突破を決めるチームは少数で、正に優勝候補です。受験でも最後の試験が0点でも合格ということはありえますが、圧倒的大多数の受験生は最後の試験次第ということになります。よって今の日本チームが置かれた状況は普通なのであり、悲観する必要は全くないということです。むしろスペインが2連勝していない状況で真剣勝負ができるのはラッキーともいえます。今回の目標であるベスト8以上という目標は決勝トーナメントでグループリーグを勝ち抜いたチームに引き分けではなく、勝つことが必要であることを考えると決して簡単ではなく、優勝を経験しているフランスやドイツでもグループリーグ敗退したことがあります。また優勝4回のイタリアはW杯本大会にも出場できていないことを考えると世界のレベルは拮抗してきているのでしょう。ちなみにドイツ戦勝利は過去の実績よりジャイアントキリング(大番狂わせ)といわれていますが、現在のドイツ代表と日本代表の間にそこまでの実力差はないのではないか。
日本の多くのファンはコスタリカがW杯で過去にベスト8に進出したことについてよく知らなかったように、仮に日本がベスト8に進出しても世界にそう大きなインパクトを残すことはないでしょう。しかし優勝経験のあるドイツとスペインを撃破できれば、日本の目標である2050年までにW杯で優勝には前進するのではないかと思います。ドイツやスペインに対しても互角以上に戦えるようにならないと、決勝トーナメントに進出しても優勝までは4試合あり、当然強豪相手に4連勝が必要です。
スペインと引分けて決勝トーナメントに進出する可能性もドイツ対コスタリカの結果次第ではあるようですが、ここはスペインに勝つことに全てを賭けてもよいのではないか。リスペクトするドイツにも勝った我々だから、当然スペインにも勝ちにいくと明言する日本代表の熱い戦いをみたい。停滞するのか壁を破るのか、今後のサッカー日本代表を占う上で重要な試合になるでしょう。