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2015年4月号 会話のセンス

2015年4月号 会話のセンス

2015/04/15

 日常生活でも会話にセンスがあるように、医療業界でも会話(問診、診察)のセンスがあると考えています。例えば腰痛の患者様に対してお一人お一人説明は異なります。痛みで日常生活が困難な時はまず治療で、予防法は次回以降の受診でもよいでしょう。その判断は直接お聞きする場合もあるし、表情、歩行等から判断することもあります。まず相手の期待、希望を相手の顔をよく見て対応することが不可欠です。腰痛の全てについて説明したらいくら時間があっても診療は終わりませんし、それはプロの仕事とは言えません。ただ医師の中にはどの患者さんに対してもワンパターンの説明をされる方や、そんな簡単なことだったのかと思われるのがいやなのか簡単なことを専門用語を駆使して難しく説明される方もあるとお聞きします。
 難しいことを少しでも簡単に説明することが、本当の専門家なのは医療業界以外でも同じでしょう。しかし説明をしっかりしてもどの程度理解されたかを判断するのは容易ではありません。理解が不十分だと思われる場合は再診時に再度説明が必要なことがありますし、慢性的な疾患に対しては、すぐに治療効果が出ないことを説明し、治療を中断されないようお話をすることも必要です。
 ただ残念なのは、患者さん自身の思い込みやにわか仕込みの知識で、こちらの提案にまったく理解を示そうとされない場合や、こちらが寄り添うこと、共感することを目指していても、「先生には話してもわからないと思いますけど。」とおっしゃる患者さんが時々いらっしゃることです。人間関係の基本として、自分を理解してもらおうとすると、相手を理解しようとすることも必要です。
 しかし、残念と思うと同時にこうも思います。痛みが強い場合や、病気に対して不安がある場合には、患者さん自身冷静になれない場合、状況もあるのだと。このような場合は時間をおいてみることも必要です。普段常識的な振る舞いをされる方が、病気になり不安や、痛みがあると、普段では考えられない言動をされる場合があります。正攻法で理論的に納得してもらおうとしても困難なことはいくらでもあります。そのようなことを十分わかったうえで医師という仕事をしています。
 私自身限られた診察時間の中で、どれだけ十分なことができているかについては、自信がありませんが、医師として冷静な判断をしつつ、患者さんとともに悩み、共に喜ぶ姿勢は崩さずに今後も診察を行いたいと考えています。