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2019年9月号 ホーム&アウェー

2019年9月号 ホーム&アウェー

2019/09/12

    この夏にいろいろなオファーがありました。一つは元アイドルから女優に転身して成功されている女優Aさんが、ナレーションを務めているテレビ番組の出演です。人物に焦点をあてた番組で、担当者が過去の出演者の番組を見せてくれました。実業家から政治家になり、また現在は実業家として大きな実績を残されているBさんの出演シーンは演出、音楽、撮影場所など、カッコいい出来でした。Aさんの事務所にもOKをいただいているので、あとは私がOKすれば、出演という状況になっていました。Aさんは一流芸能人といってよい存在と知名度で、特徴的な声でナレーションも評価が高い方であります。間違いなく、クオリティーの高い番組になったと思います。私も10年前なら喜んで出演していたと思いますが、熟慮の上、丁重にお断りさせていただきました。

    なぜ?と思われる方も多いかもしれません。自ら出演したいと言って出演できる番組ではありませんので、出演したい方はおそらくたくさんいらっしゃいます。番組の出演は貴重な楽しい時間になったと思います。ただなにか努力を要することがあるかというと、今の私はテレビやラジオ出演が非日常とは感じなくなっています。たいへん偉そうな言い方になっていると申し訳ないのですが、たかがテレビやラジオ出演で浮かれていてはいけないと思いますし、私自身まだまだ成長過程の身にありますので、現在の私には荷が重いようなオファーが今後あれば、考えたいと思います。とにかく未知のオファーに挑戦したいですし、断ってオファーがこなくなるなら、それは私に魅力がないのだと思います。断ってもオファーがくるのが、一流です。

    ちょうどこの頃、優秀な研修医が全国から集まり、救急救命が有名で、各診療科にもその道のエキスパートを揃える有名病院の総合内科部長から学術講演会の講師のオファーをいただきました。今年で6回目らしいのですが、過去の講師陣は全国的に知名度があるような地位も名誉もある大御所ともいわれる錚々たるメンバーです。怖じけずいても不思議ではないのですが、私は即答で講師を引き受けました。自信があるわけではありませんが、プレッシャーがかかりドキドキするような環境に身を置かなくては自分自身成長しないと思うからです。これまで培ってきた知識や技術や経験の範囲内で生きていこうとは考えていません。 潜在能力はピンチにならないと発揮できないからです。

    今回テレビ出演を見送ったのは謙虚でなくなったからではありません。謙虚であろうと思うからこそ見送りました。また学術講演会の講師の件は、まだまだ私のような未熟者には荷が重いですとお断りもできたのでしょうが、それは私の現状からすると、謙虚ではなく「逃げ」であると思います。楽な事だけやっていても、それは真の楽しみとはいえない。大変だな、しんどいなと思うことが成長してできるようになったときこそ、真の楽しみがわかるのだと思う。