2020年9月号 コロナ雑感
2020/09/11
ステイホーム中に中止していましたウォーキングを再開してしばらく経ちます。心身とも健康になることを実感します。早朝に30分程度歩いているのですが、人が少なく屋外で密になる心配がないため、マスク着用なしで、外出できるのは、新鮮です。また免疫力が低下しないように夜、早く休むようになり、また手洗いやマスクを着用する効果か体調に波もほとんどなくなりました。6月以降ステイホームの弊害と考えられる筋力低下による症状が年齢を問わず増えたような実感があります。久しぶりに登校して足が痛くなった学生さんや部活動でもブランクが影響を与えている方も6〜7月は比較的多く見られました。また運動不足で体重が増えたという方も散見されます。オリンピックに出場したあるスピードスケートの選手は0.3kg体重が増減するだけでタイムに大きく影響を与えると述べていた記憶があります。体格にもよりますが、一般人でも男性なら3kg、女性なら2kg体重が増えるとはっきり体が重たく感じることが多いような印象があります。一時的に筋力低下や体重増加があっても心配ありません。筋力は何歳になっても鍛えられますし、運動することでカロリー消費し、また代謝が良くなることで痩せやすくなります。
特に高齢者の場合は下半身の筋力低下が進むと転倒の危険が高まります。大腿骨頸部骨折などは介護の必要性が高まりますので、要注意です。歩くことで骨粗鬆症対策にもなりますから、現在ですと、熱中症に注意しつつ、各人の体力に合わせて無理なくウォーキングをされてはいかがでしょうか。
今年の冬はみんなが手洗いやマスク着用したことでインフルエンザにかかる患者さんが減少したことが話題になりました。整形外科疾患ですと、ステイホーム中は交通事故の患者さんが明らかに減少しました。統計的にも交通事故は減少したそうです。交通事故が減ったことは良いことではありますので、骨粗鬆症に起因する骨折同様、まずは予防、事故にあわないのが一番です。
話は少しそれますが、手指の変形性関節症に対し、昨年春頃よりあるサプリメントを勧めていますが、8月は購入する方が増えました。健康意識の高まりがあるのでしょうか。当院では原則としてサプリメントの相談を受けた際に、何かをお勧めすることはないのですが、手指の変形性関節症に対しては有効な治療法がないと言っても良い状態でしたので、選択肢を示せるだけで、診療上大変助かっています。女性ホルモンの減少に起因する諸症状を緩和する可能性があるため内科、婦人科でも勧められています。手指の変形性関節症以外に、骨粗鬆症、高コレステロール血症、また美容にも効果が期待されるため、女性に人気があるのもうなずけます。しかし現在治療中の薬剤を自己判断で中止してしまったりすることがないよう注意が必要です。
早いもので、来月にはインフルエンザの予防接種がはじまります。インフルエンザとコロナウイルス感染が両方流行する可能性があり、戦々恐々とされている方も多いかもしれませんが、対策はほぼ共通しています。インフルエンザの予防接種を受けておくことが例年以上に推奨されます。当分マスク生活が続きますが、共に乗り切っていきましょう。