2020年11月号 利他の精神
2020/11/16
予想されていたように冬場になり、新型コロナウイルス感染者数が増加してきました。航空業界、飲食業界、観光業界などコロナ感染で、特に大変な業界がある中、楽観的な見通しを述べるのはどうなのだろうと思いつつも、悲観的な話ばかりでは気が滅入りますので、敢えて前向きな話をします。戦争での敗戦、オイルショック、リーマンショック等を乗り越えてきたように、日本は今回の危機も乗り越えていけると考えます。大切なのは、状況を正しく認識することと、これまでの常識にとらわれずに創意工夫し行動していく事だと思います。
若い世代、大学新入生や就職活動をする大学生は将来が見通せない状況でしょうが、考えようによっては一発逆転するチャンスは平常時より増えているのだと思います。私は開業するときに先が見えない状況を楽しみました。ドラマの最終回もネタバレしたら、ワクワクしないように、先がわからないことは不安だけではありません。人の能力に大差がなければ、いやあったとしても、時間の使い方でカバーできますし、とにかく何かに懸命に取り組む事だと思います。最近すっかり忘れていましたが、有名人、著名人が多数出演しているインターネットTV「覚悟の瞬間」では安倍前首相の動画の次に私の動画が検索されているようです。先が見えなくて不安だという特に若い方は是非ご覧ください。一時期大人も子供も暇でする事がないと言っている人が多い時期がありましたが、非常にもったいないと感じました。エンターテイメント業界や外食、旅行が通常通りでなくとも、楽しい事は自分自身で生み出せるし、受け身ではなく積極的に自分から行動することです。
そもそも困難や悲しみが全くない人生などなく、アメリカ大統領候補者であったトランプ氏やバイデン氏も事業で失敗したり、交通事故で家族を亡くしたりしています。それでもそこで立ち止まってしまわなかったから大統領候補になったのでしょう。私自身も不運に見舞われるた時、落ち込みはするのですが、他人と比べて立ち直りはかなり早いと思います。状況をどんどん悪化させないために何をすれば良いか冷静になって考えて行動することは日々の小さな事の判断、行動の積み重ねでできるようになるのでしょう。
こういう時代だからこそ感謝の気持ちが大切です。しかし他人から何かをしてもらったから感謝するのではなく、ただ今生かされていること、自分のことを信じてくれる人がいることに感謝です。自分のために頑張ることは大切ですが、自分のためだけに頑張るのは社会の一員として適切ではないでしょう。ごく稀に受け入れ難い要求をされる利己的な患者さんもいらっしゃいますが。みんなが困難に直面しているこんな時代だからこそ、これまで通り利他の精神で診療を行ってまいります。