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2022年2月号 小学生にも理解できる感染症のお話

2022年2月号 小学生にも理解できる感染症のお話

2022/02/14

 新型コロナウイルス感染症の第6波は第5波までと比べて、1日の新規感染者数で大きく上回り、病床数不足やエッセンシャルワーカーの自宅待機などによる社会生活の混乱など、様々な点において専門家だけではなく、一般の方を含めて様々な意見があるようです。大切な事は各々の立場によって、考え方が異なる可能性がありますが、それがあまりにも自分本位にならないようにすべきです。若者にとって成人式や学生生活は一生で一度や限られた期間ではありますが、まさに成人したのでありますから、感染を広げないために自覚を持った行動をすべきですし、また高齢者の方も一部でマスク不要論を唱える方がいらっしゃったり、発熱していてもかまわず、受診して来られる方があり、スタッフも対応に苦慮することがあります。また就労者に対しては、体調が悪ければ、休めるようにすべきということが原則ですが、勤務できない職員の数が多すぎて、大変な職場はあるようです。しかし人が足りないからと、まだ自宅待機が必要なスタッフに出勤してもらうことは当院ではございません。大変な状況でもシフトを組むのは経営者である院長の責任であるし、第6波の感染状況も想定の範囲内です。当院では幸いシフトを組むことに苦労なく日々診療を行なっていますし、平時より常に緊急時のことを考えて採用、教育を行っていますから、第6波もこれまでどおり乗りきれるでしょう。

 第6波がきて、最近少し心配になるのは感染が広がるスピードというものを甘く考えている人が多いのではないかということです。当院ではスタッフに対して一昨年にこんな話をしました。ある日感染者が1人確認されたとします。感染者は翌日2人を感染させて自分は治癒するとすると、30日後の新規感染者は何人になるでしょうか。1日後は2人、2日後は4人、3日後は8人です。10日後は1024人です。ここまでの数字を見るとたいしたことがないように思えます。しかし30日後には1073741824人になって、驚くことに10億人以上です。実際は感染者は隔離する対策をとりますから、そこまでにはなりませんが、マスクや手洗いをせずに全員が対策をとらなければ、あっという間に感染はひろがります。

 感染力の強いオミクロン株で新規感染者が毎日10万人程度になることは至極当然で、日本人はまだ11人の感染対策がしっかりしているため、3回目のワクチン接種がすすんでいなくとも、その程度で、持ち堪えているとも言えます。いろいろな議論をするにしても、各々の知識ベースや認識が異なっていては正しい方向に議論はすすみません。

 先週から集団接種会場に出務していますが、出務医師や看護師に対して接種希望者は少なめです。今の23倍の数は十分に接種する余地があります。第6波対策としては間に合わないという意見はありますが、感染対策はこれからもしばらくは続きます。高齢者や基礎疾患のある接種希望者はファイザーでもモデルナでもとにかく早い時期に接種を行ってください。