PFC-FD™療法
PFC-FD™療法とは?
PFC-FD™は、血小板の力を活用する治療法であり、血小板由来成長因子濃縮液を凍結乾燥保存したものの商品名・サービス名となります。
※「PFC-FD」は、セルソース株式会社がPlatelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dryという造語の頭文字から名付けました。
血小板は、血管が損傷した時に集まって止血する働きがあります。その際に多量の「成⾧因子」が放出されることが分かっています。この「成⾧因子」には、組織修復のプロセスを開始する働きがあり、血小板の放出する「成⾧因子」を使って治りにくい組織の修復を促したり、組織修復を促進する方法がPFC-FD療法になります。
PFC-FD療法は「成⾧因子」の自己組織修復・抗炎症作用などを促す働きがあり、様々な分野でその効果が期待されています。
※ただし下記に該当する方はPFC-FD療法を受けることができません。
■がん治療中
■感染症がある(B型肝炎、C型肝炎、HIVなど)
■発熱がある
■薬剤過敏症がある
■免疫抑制剤を飲んでいる
※PFC-FD™は、セルソース株式会社の提供する商標です。
PFC-FD™療法に期待される効果
関節内で炎症を起こしているような状況では、PFC-FD™を関節内に注射することで炎症を抑制し、痛みや腫れの緩和が期待できます。
効果には個人差がありますが、概ね3ヶ月から半年ほどの持続力があります。
この持続力を活かし、症状が抑えられている間に運動療法をおこない、その間に患部周辺の筋肉を鍛えることで関節への負荷を減らすことができるため生活の質を向上させることができます。
また、痛みが軽減することで運動がしやすくなり体重低下に繋がれば、さらに膝関節にかかるストレスが軽減する、という良い循環を獲得できる可能性もあります。
PFC-FD™療法で改善が期待できる疾患
症状 | 対象部位 | 疾患名 | 主なPFC-FD™使用例 |
---|---|---|---|
変形性関節症 |
ひざ
ひじ
足首
|
変形性膝関節症
変形性股関節症
|
注入後、運動療法(リハビリ)と併用 |
靭帯損傷 |
ひざ
ひじ
|
膝十字靭帯損傷
肘関節靭帯損傷
|
注入のみ、もしくは術後回復を早める補助 |
腱炎 |
ひざ
足首
|
膝蓋腱炎
アキレス腱損傷
|
注入のみ、もしくは術後回復を早める補助 |
現在もっとも活用されている疾患は膝に生じる変形性膝関節症です。
ですが靭帯損傷や腱炎といった他の運動器疾患でも効果が期待されており、スポーツ選手を中心に様々な治療に活用され始めています。
PFC-FD™療法のメリット
■ご自身の血液をもとに作るため、拒否反応や感染症のリスク、その他の副作用が少なく安全
■PFC-FD™療法の施術は、標準的には当院へ2回訪れることで完了(治療に関する相談・日程決めは事前来院が必要)
■手術や入院をする必要がない(その日に歩いて帰ることも可能
PFC-FD™療法のデメリット
■自由診療での治療となるため、治療費は保険適応外となります。 …
■注射による一般的な副作用(痛み、赤み、腫れなど)が起こることがあります。
■全ての方に治療効果が見込めるわけではありません。 …
■新しい治療ということもあり、今後新たなリスクが発見される可能性も考えられます。
治療の流れ
1.採血(片膝に対して約50ml)します。
2.細胞加工の為、国(厚生労働省)の認可を得た施設へ血液を送ります。
血球成分を取り除き、血小板より成長因子のみを抽出し、フリーズドライ加工を行います。(約2〜3週間かかります)
3.加工された成長因子を生理食塩水で戻し、患部に注射器で注入します。
※注射後に固定したり安静を指示することはありませんが、激しい運動は控えてください。
4.注射して1週間後より、リハビリ加療の併用も可能です。
経過
治療後3〜4日:過度な運動は行わず経過を見ます。
治療後1週間から効果を感じ始めます。リハビリテーションを開始、徐々に運動の強度を上げていきます。スポーツの再開もOKです。
治療後1か月で痛みは軽減し、思い通りに身体を動かせます。痛みが引いて症状の改善も実感できる期間です。
効果持続は1か月~最大2年ほど痛みが改善している方もいます。靭帯組織に関しては完全に治癒する例もあります。後に、膝にヒアルロン酸注射を追加することも可能です。
費用
保険外診療となります。
■初回診察・画像検査・説明 5,000円
■血液検査 13,000円
■治療費 180,000円
※総額税込198,000円となります。